書籍『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)

『子どもを東大に』系の育児本は役に立つのか

Kid girl trying red mummy shoes on.  Isolated on white

我が子の将来を思うと、より良い育児ができるように考えるとき、参考にしがちなのが「育児本」。
Amazonで検索すると、『子どもを医学部に~』『東大合格~子育て』などさまざまな子育て実践本を見つけることができます。

気になって読んでみると・・・
「本を3歳までに千冊読み聞かせた」「英語耳をつくるためには早期に英語を聞かせる」など、ただでさえ大変な子育てのオプションとして、さらなるミッションがのしかかってくる気が・・・。

そんな「育児成功体験記」を参考にすることが、そもそもいいことなのか? といった疑問に回答してくれる本がありました。

それは『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)1,728円、Kindle版1,235円)。
著者は慶應義塾大学総合政策学部准教授で教育経済学が専門の中室牧子氏。

「ご褒美で釣るのはOK?」、「褒め育てはいいの?」、「ゲームやテレビは?」などといった疑問に対し、各人の違う環境のもとに語られる育児論と違い、客観的なエビデンス(実証的証拠)に基づいて語られています。

たとえば「読書と子供の学力の相関関係をみただけでは『読書をする子の学力が高い』のか、『力の高い子が読書が好き』なのかは判断できない」という。

さらに注目すべきは、教育の影響が子どもの学力だけでなく、将来の収入や幸福度などにどのように影響されるのか、といった経済効果について記されていること。

育児体験記本に一喜一憂するより、このような科学的分析をもとにしたデータを指針にするほうが、健全な気がしてきます。

『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)1,728円、Kindle版1,235円)。

Amazonより引用
[要旨]
ゲームは子どもに悪影響?教育にはいつ投資すべき?ご褒美で釣るのっていけない?思い込みで語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!
[目次]
第1章 他人の“成功体験”はわが子にも活かせるのか?―データは個人の経験に勝る(教育は「一億層評論家」
東大生の親の平均年収は約「1000万円」 ほか)
第2章 子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?―科学的根拠に基づく子育て(目の前ににんじん」作戦を経済学的にひもとく
「テストでよい点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」―どちらが効果的? ほか)
第3章 “勉強”は本当にそんなに大切なのか?―人生の成功に重要な非認知能力(幼児教育プリグラムは子どもの何を変えたのか
「非認知能力」とは ほか)
第4章 “少人数学級”には効果があるのか?―科学的根拠なき日本の教育政策(35人か、40人か?
少人数学級は費用効果が低い ほか)
第5章 “いい先生”とはどんな先生なのか?―日本の教育に欠けている教員の「質」という概念(「いい先生」に出会うと人生が変わる
教員を「ご褒美」で釣ることに効果はあるのか ほか)
補論 なぜ、教育に実験が必要なのか(リンゴとオレンジ:比較できない2つのもの「反実仮想」を再現する ほか)